「三菱」vs.「三井」…東京・再開発バトルで都心激変

目次1 三菱地所が手がける「東京駅北口」日本一の高層ビル2 大規模再開発で日比谷が「第二の三井村」へ 東京・都心の至る所 … 続きを読む 「三菱」vs.「三井」…東京・再開発バトルで都心激変


この記事は約5分で読み終わります。

東京・都心の至る所で計画されている再開発。不動産の資産価値にも大きく影響するので、投資家にとっても注目です。今回は、「東京」駅周辺で計画、推進されているプロジェクトについてみていきます。

三菱地所が手がける「東京駅北口」日本一の高層ビル

1年遅れの東京五輪が開催されてから1年。そんな東京では、昨今、至る所で再開発が計画、実施されています。なぜこんなにもさまざまな計画がされているのか……そのカギを握るのが、1964年の東京五輪。当時、日本は高度成長期。この時期に多くの建造物が建てられました。それから半世紀が経ち、一気に更新の時期を迎えているのです。

「東京」駅北口で進められているのは、「大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業」。大手町一丁目地区第一種市街地再開発事業(第一次再開発事業)から続く連鎖型都市再生事業の第四弾事業で、朝日生命大手町ビルと日本ビルの跡地で進められています。計画名は東京駅前常盤橋プロジェクト、街区名はTOKYO TORCH(トウキョウトーチ)、施行者は三菱地所です。

約3.1haの再開発エリアには、AからD棟と、4つのビルが作られます。A棟(常盤橋タワーは地上38階、地下5階、高さ約212m、延べ面積約146,000㎡の超高層ビルです。2021年6月末に竣工しました。タワー内は地下1階〜地上3階までが商業エリア「TOKYO TORCH Terrace(トウキョウ トーチ テラス)」、9階〜37階までがオフィスエリアとなっています。

D棟(銭瓶町ビルディング)は地上9階、地下3階、高さ約53m、延べ面積約30,000㎡、2022年3月末に竣工しました。東京都下水道局の下水ポンプ場を北側に移設しビル化するもので、地上階には下水道局が入っています。

C棟(変電所棟)は地下4階、延べ面積約20,000㎡。敷地中央にある東京電力の変電所を改修しながら機能更新を図るもので、Ⅰ期は2021年6月末に完成、Ⅱ期は2027年度に竣工する見込みです。地上部には大規模な広場が整備されます。

そしてB棟(Torch Tower)は地上63階、地下4階、高さ約390m、延べ面積約544,000㎡の超高層ビルです。竣工予定は2027年度。完成すると、森ビルが進めている2023年3月竣工予定の「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業メインタワー」(地上64階、高さ325.20m)を上回り、日本一の超高層ビルになります。タワーはオフィスを主体とし、高層階に展望施設、国際級ホテル、賃貸レジデンスを配置し、低層部に大規模ホールや商業エリアが整備される予定です。

丸の内・仲通り

丸の内エリアで再開発の実績がある三菱地所。2000年代初頭までの丸の内は、平日昼間はオフィスワーカーで賑わっていましたが、それ以外は閑散としていました。しかし丸の内ビルディング(丸ビル)が2002年に完成したあとは、夜や休日でも多くの人で賑わう街へと変貌。都心の再開発のお手本とされています。そんな実績がある三菱地所が手がける再開発計画だけに、いまから大きな注目を集めています。

大規模再開発で日比谷が「第二の三井村」へ

三菱のライバルとして名前があがることが多い三井。三菱が丸の内の再開発で存在感を示したかと思えば、三井は日本橋の再開発で存在感を発揮しました。老舗が多い日本橋は、かつては地味な印象を否定できない街でした。

しかし2005年に「日本橋三井タワー」が竣工、2010年には「コレド室町」、2014年に「コレド室町2&3」が完成。三井のルーツとなる日本橋の賑わいは、格段に増しました。

ただ三菱の丸の内の再開発と比べると、話題という点では遅れをとっている感は否めません。かたや東京の玄関口である「東京」駅の目の前、近代日本を支えた街、かたや江戸をルーツにもつ老舗の街。ロケーションの観点でも、三菱が一歩、先を行っている印象です。

そんな三井不動産の次の一手が、大きな話題を呼んでいます。場所は丸の内の南側に隣接する日比谷。帝国ホテルを中心とした「内幸町一丁目街区開発計画」で、2022年3月、同街区の事業構想として「TOKYO CROSS PARK構想」が発表されました。

計画を推進するのは、三井不動産のほか、NTTアーバンソリューションズ、公共建物、第一生命保険、中央日本土地建物、帝国ホテル、東京センチュリー、東京電力ホールディングス、NTT、NTT東日本の10社で、敷地面積は約6.5ha、延床面積約110万㎡。北地区・中地区・南地区の3つの地区で構成されます。

北地区には帝国ホテル 新本館およびノースタワー、中地区にはセントラルタワー、南地区にはサウスタワーが作られ、オフィスや商業施設、ホテル、住宅機能等を備える街が誕生します。また日比谷通りを挟んで隣接する日比谷公園と街をつなぐ、2つのデッキ状の道路上空公園や、31mの高さにある基壇部上広場、2haの大規模広場といったパブリックスペースも整備。2028年度から順次完成予定で、全体の完成は2037年度以降になります。

日比谷公園から日比谷・内幸町方面を臨む

同地区は、大手町・丸の内エリア、新橋・虎ノ門~霞が関エリア、銀座エリアといった、都心を代表する3つのエリアが交差するロケーションであり、劇場やシネコンが集積するエンターテインメントの街という特性もあります。これらの要素をかけ合わせることで、ほかの街にはない、独自のポジションを獲得しようとしています。

奇しくも丸の内エリアの「三菱村」を、日本橋と日比谷、2つの「三井村」で挟み込む形で進む、「東京」駅を中心とした再開発。エリア間の競争は激化しているものの、これらの地域はさらに魅力を高め、その地位を盤石なものにしていくでしょう。