インターネット上の会社にアバターが出社…次世代のオフィスのカタチとは?

目次1 テレワークの普及でみえてきたデメリット2 テレワークのコミュニケーション不足を解消するには? コロナ禍で当たり前 … 続きを読む インターネット上の会社にアバターが出社…次世代のオフィスのカタチとは?


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コロナ禍で当たり前になりつつあるテレワーク。多くのメリットがある一方で、コミュニケーションに課題を感じるケースが多くありました。そこで注目されているのが仮想オフィス。最先端のオフィス事情をみていきましょう。

テレワークの普及でみえてきたデメリット

働き方改革の推進のうえで注目されていたテレワーク。情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことですが、海外に比べてIT化が遅れていた日本ではなかなか普及が遅れていました。

そこにきて、2020年、突然世界を新型コロナウイルス感染症が襲い、その対策の一環として、テレワークは一気に拡大。総務省『令和3年版 情報通信白書』によると、2020年、テレワークの導入企業は47.4%。東京都『テレワーク実施率調査結果』では、都内企業の62.7%(2021年2月)。行動制限が緩和され、出勤する人が増えてはいますが、もはやテレワークは特別なものではなくなっています。

実際にテレワークを体験してみて、多くの人がメリットを感じたことでしょう。前出の総務省の調査によると、テレワークの利点として最も多く上がったのが「通勤時間が削減される」で81.5%。「好きな場所で作業をすることができる」53.8%、「自分や家族のための時間を取りやすくなった」45.1%、「作業に集中できる」37.1%と続きました。

多くの人が効率的な働き方であることを実感し、69.3%がテレワークを継続したい(「継続したい」と「どちらかといえば継続したい」の合計)と回答しています。

一方で、18.2%が継続したくない(「継続したくない」と「どちらかといえば継続したくない」の合計)と回答。少数派とはいえ、テレワークに対して否定的な意見をもっています。

その理由はテレワーク実施の課題や障壁を尋ねる回答から伺うことができます。そもそも業務がテレワーク向きでなかったり、制度的な問題があったりといい意見が目立つなか、注目は、「社員同士のコミュニケーション」や「上司からの確認・指示を得にくい」といった意見。

 

【テレワーク実施の課題・障壁】
テレワークに適した仕事ではない:36.3%
勤務先にテレワークできる制度がない:27.9%
会社に行かないと利用できない資料がある:22.8%
会社でしかできない手続きがある:19.4%
社員同士のコミュニケーション:17.8%
上司からの確認・指示を得にくい:10.8%
出所:総務省『令和3年版 情報通信白書』より

 

「直接会えたらもっとスムーズに進められるのに……」とテレワーク中に感じたことはないでしょうか。行動制限が緩和されたいま、あえて出社する人が増えているのは、そんな不満が大きな要因になっているのではないでしょうか。

HR総研『社内コミュニケーションに関するアンケート2021』でも、7割が社員間のコミュニケーション不足は業務の障害と回答し、9割で「迅速な情報共有」に支障ありとしています。またテレワーク社員とのコミュニケーション不全により、全社で生産性が低下している傾向もみられました。

テレワークのコミュニケーション不足を解消するには?

リアルなコミュニケーション不足といったテレワークのデメリットを解消するものとして注目されているのが、仮想(バーチャル)オフィス。クラウドオフィスなどとも呼ばれるサービスで、インターネット上にオフィスを設置して、実際に出勤している感覚でテレワークを行えるツールです。

「話しかけやすい」「一体感が得られやすい」「業務効率化が図れる」「マネジメントを効率化できる」「勤務状況を把握できる」といったメリットがあり、特にテレワークで問題となった「孤独感の解消」が図れるツールとして注目されています。

サービスとしてはいくつかのタイプがあります。まずは「オフィス再現型」。フロアマップを再現し、社員のアバターが出社。メンバー同士の会話やコミュニケーションを促すサービスです。たとえば株式会社OPSIONが提供する「RISA」は、メンバーの足音が聞こえるなどの演出が盛り込まれ、仮想空間ながら本当に出社しているかのような臨場感も。

さらに仮想イベント会場として機能を提供するサービスもあります。oVice株式会社が提供する「oVice」は展示会や交流会といった利用も想定。距離の近いアバターの会話が耳に入ってくるなど、よりイベント用途に使えるサービスになっています。

これらの空間を再現するタイプのサービスはPCへの負荷が大きく難点。そこで、テレワークにおけるコミュニケーションをサポートすることに特化したサービスも。たとえばラウンズ株式会社が提供する「roundz」は、在席状況などを一覧で確認でき、ワンタッチで声掛けができ、画面共有機能やマウスポインタ共有機能で作業をサポートしてくれます。

ほかにも様々なサービスが続々登場し、まさに群雄割拠といった状態。ただそんな仮想オフィスにも欠点を指摘する声も聞かれます。

まずITスキルが求められること。仮想オフィスの利用自体が仕事の負担という声も多く聞かれます。また仮想オフィスは社員の勤務状況が常時可視化されるため、監視されている感覚が強まり、それがストレスだというケースも多いようです。

仮想オフィスの登場で、「リアルなオフィスに出社することはなくなる」という声もありますが、仮想オフィスにもデメリットがあるように、現時点でリアルがすべてバーチャルに置き換わることはなさそう。現状、仮想オフィスはあくまでもテレワークをサポートするサービスであり、リアルとバーチャルのバランスが大切のようです。