CREとは何か
CRE(Corporate Real Estate)とは、企業不動産のことです。企業が事業のために所有、または賃貸借しているすべての不動産を指します。
近年、CREを活用しようとする動きが高まっていますが、企業のもつ不動産を経営戦略として活用していこうという考え方がCRE戦略です。
CRE戦略の基本的な考え方
まずは、CRE戦略の基本的な考え方について解説しますので、経営の参考にしてみてください。
経営資源のひとつと考える
CRE戦略では、企業不動産を経営資源のひとつと考えます。これまでは、営業のために不動産を保有するという、営業を主体においた考え方が一般的でした。
しかし現在、日本では長引く経済不調が続いており、経営資源を見直す動きが多くの企業で見られるようになりました。
そういった背景から、保有する不動産の見直し、管理の見直し、売買などの取引、活用など、さまざまな角度から企業価値が最大化できるようにするCRE戦略が注目されるようになったのです。
不動産を最大限活用し、企業価値を向上する
CRE戦略では、「企業価値を向上させる」という観点から不動産を扱います。
たとえば、保有しているだけで稼働率が低い未利用の不動産を、本業に活かせるような資産に変えるなどの取り組みが、代表的なCRE戦略として挙げられるでしょう。
そのほか方法はさまざまですが、企業価値の向上を中心に据えて、不動産投資の効率性を最大限向上させることがCRE戦略に共通していることだといえます。
CRE戦略で企業価値が向上する理由
ここまでは、CRE戦略は企業価値の向上を目的としていると説明しました。では、なぜCRE戦略によって企業価値の向上が図れるのでしょうか。CRE戦略が企業価値向上につながる理由は、大きく分けて3つあります。
キャッシュフローの量向上が期待されるから
CRE戦略が成功すると、キャッシュフローの量向上が期待できます。CRE戦略には、不動産の収益化やコスト削減効果があるためです。
たとえば、あまり活用できていない不動産を事業目的で保有していたとします。保有したままでは維持のためのコストばかりがかかるでしょう。
しかし、CRE戦略によって賃貸に出したり、あるいは売却したりすれば将来のコストは賃貸による収益で減額できますし、売却すればコスト負担をなくすことができます。これにより、キャッシュフローの量が増え、安定化や企業価値の向上が期待できるのです。
資本コストが削減できるから
資本コストは、債権者に支払う義務のある借入金の利息、株主に支払う配当金の支払いなど、企業の資金調達に関わるコストを指します。資本コストは、企業の収益に対して下回っているかどうかが重要で、事業の価値を示す重要な値だといえるでしょう。
CRE戦略では、借入金の削減など企業不動産の最適化を図ることで、キャッシュフローから割り引かれる資本コストの削減ができるとされています。資本コストの削減ができるということは、投資家に対して企業の価値を大きく示せるということです。
不動産売却で得たキャッシュを事業に再投資するから
CRE戦略によって得たキャッシュ、具体的には「収益性が低い不動産や遊休地などの非事業用不動産の売却などで得たキャッシュ」は、事業への再投資として活用できます。
再投資できるということは事業の価値を高めたり、収益性を高めたりすることに役立つので、結果として企業価値の向上につながります。
CRE戦略で得られるその他の効果
CRE戦略の目的は企業価値の向上ですが、メリットはそれだけではありません。企業価値の向上以外にも、CRE戦略が注目されている理由があります。
ここからは、CRE戦略におけるそのほかの効果について、いくつか例を紹介します。
企業の社会的責任(CSR)を果たせる
CREは社会的資本(公共財)の側面ももっています。CREの活用、または再生は、CSR(社会的責任)を果たすうえでも重要です。CSRを意識したCRE戦略としては、環境保全や景観への配慮、地域社会への貢献、アスベストの処理や耐震対策といった部分も注目されるようになってきました。
事業承継に有利
後継者不足などから、M&Aによる中小企業の事業承継が一般的になりつつあります。M&Aで、有効活用している不動産が多いという点は、事業価値が高いとプラスに判断される要素となります。
活用されていない不動産を多く保有していると、固定資産税の支払いなどコストの面でマイナス評価をされるでしょう。不動産は流動性が低く売却しにくいため、デメリットがあると判断されるためです。
また、事業承継するにあたって活用できていない不動産を現金化することにより、納税資金の調達にも役立つと考えられます。
このように、事業承継を効果的に実行していくうえでも、CRE戦略を取り入れることは効果的です。
事業再生や企業再生ができる
CRE戦略による不動産の活用は、事業再生や企業再生にもつながります。幅広い観点から企業不動産を管理することによって、企業の財政状態の改善に役立つためです。たとえば、以下のような取り組みが、事業再生や企業再生につながるでしょう。
オフバランス化
不動産を売却、サブリース契約などに切り替えることで貸借対照表から不動産を外し、資産や負債の圧縮を図ります。
不動産M&Aや組織再編
不動産の取得を主な目的としたM&Aや組織再編です。税務効果などの面でメリットがあります。
不動産の用途変更
事業内での活用、賃貸による不動産投資など、所有する不動産の用途を変更することです。
税制上の優遇措置の利用
不動産関連では、税制上の優遇措置を設けているものも多くあります。優遇措置に合うような条件に不動産の用途などを変更して、税金の負担を軽減します。
上記のような取り組みをCRE戦略として効果的に取り入れることによって、事業の負債を減らし、収益の増加を図ることができるようになります。
ES(従業員満足度)の向上
CRE戦略は企業外部だけでなく、企業内部にも効果を期待することができます。所有する不動産を従業員が快適に使えるように機能性の高い職場環境を整備すれば、ES(従業員満足度)の向上が期待できるためです。
働きやすい職場になれば従業員の貢献度が高まるだけでなく、人材の確保や企業の評判など、結果的に企業価値の向上に寄与することができるでしょう。
区分所有権オフィスで行うCRE戦略
CRE戦略には、すでに保有している不動産を売却したり、賃貸に出したりすることが考えられます。
しかし、CRE戦略が有効なのは、すでに所有する物件だけではありません。企業価値の向上に役立つ不動産を新たに取得することも、CRE戦略のひとつです。
そこでおすすめしたいのが、「区分所有権オフィス」です。タマホームでも区分所有権販売事業を展開しており、扱っているのは東京5区(千代田・中央・港・新宿・渋谷)といった、資産価値の高いエリアの物件です。
資産価値の落ちにくい都心の中規模オフィスビルをバリューアップし、1フロアから小口購入することができます。そのため、一棟購入よりも低い価格でオフィスを所有することができます。
区分所有権オフィスであれば、企業価値向上を目的としたCRE戦略も行いやすいといえるでしょう。
まとめ
CRE戦略は企業価値の向上だけでなく、事業承継や事業再生など、さまざまな面でその効果が期待されています。CRE戦略を検討する際は、すでに保有している不動産はもちろん、価値の高い不動産の取得なども視野に入れて計画していきましょう。
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