衰退産業の現状
ここではまず、衰退産業とは何か、そもそもどのような業種が衰退産業と呼ばれているのかなど、
衰退産業の現状について見ていきましょう。
衰退産業とは
衰退産業とは、斜陽産業ともいわれ、将来衰退していくことであろうとされる産業、もしくは衰退がはじまっている産業のことをいいます。過去に売上高や生産高などがピークに達した時期があるも、それ以降は業績が低迷しており、将来も回復しないであろうと予想される産業を指します。
衰退産業として代表的なものに、石炭産業や繊維産業などでしょう。どちらも戦後の復興期を支えた産業で、日本に高度成長をもたらした産業です。しかし、石油など他の資源の登場や中国など賃金の低い国への工場移転などにより、国内での売上高や生産高が大幅に減少しました。これらの産業は将来的にも売上高や生産高は回復しないであろうと予想されるので、衰退産業の代表的な例として知られています。
衰退産業と呼ばれる業種
では、石炭産業や工業地帯にある製造業以外に、衰退産業と呼ばれる業種は何があるのでしょうか。代表的なものを見てみましょう。
今、急激に売上等が減少しているのが、出版業・書店業や印刷業です。インターネットやスマートフォンなどの普及で紙媒体ではなく電子データ媒体の書籍が増え、市場規模が縮小しています。それにともない、印刷物の製造も減少しています。
その他に、アパレル業界やブライダル業界なども衰退産業に挙げられます。アパレル業界はインターネットなどで安い衣服が入手しやすくなったこと、ブライダル業界は人口の減少により、結婚式の数が相対的に減少したことなどが原因で売上が減少しています。
衰退する理由
ここまでは、衰退産業の概要と衰退産業として知られている代表的な産業について見てきました。
では、なぜ産業は衰退するのでしょうか。ここからは、産業が衰退する理由について見ていきましょう。
衰退する理由① ユーザーニーズの変化
産業が衰退する理由の1つに、ユーザーニーズの変化があります。消費者が求めるものが変化したことにより、今まで好調だった産業が衰退していくのです。
アパレル業界などは、まさにユーザーニーズの変化により衰退しているといえます。ひと昔前には、品質が良く、価格が高い衣服が好まれており、百貨店などで販売されているアパレルがよく売れていた時期がありました。
しかし、低価格を売りにするファストファッションの専門店や、割引価格のお得感で売り出すネットショップ、リユース品に特化したフリマアプリの出現により、ユーザーニーズは価格が高い衣服から安い衣服に変化しました。その結果、特に百貨店に出店しているアパレル企業などは、売上を減少させました。
衰退する理由② 人口減
人口の減少も、産業が衰退する大きな理由の1つでしょう。主に人に対してサービスを提供していた産業では、人口の減少の影響を受けやすくなります。ブライダル業界は人口の減少により、結婚式の数が減少しているので、売上も減少しました。
また、教育業界も人口の減少の影響を受けやすい業種です。少子化の影響で学校に入学する子供の数が減っているため、入学金や授業料などの収入は減少しました。教科書や参考書などを販売している企業や、学習塾なども少子化の影響を大きく受けています。
衰退する理由③ 産業構造の変化
産業構造の変化は新しい産業を成長させる一方、既存の産業を大きく衰退させる要因になります。
AIの技術革新やビッグデータなどを活用したさまざまな情報サービスの提供や、インターネットの発達による電子書籍やフリマアプリなどの新しい産業が成長しています。しかし、出版業・書店業や印刷業においては、出版物が売れなくなったことにより売上が減少し、産業が衰退しています。
衰退産業の生き残り戦略とは
産業が衰退するのには、さまざまな理由があります。では、衰退産業は今後消滅してしまうのかというとそうとは言い切れません。戦略をしっかり考えて行動することで、生き残ることもできるのではないでしょうか。ここでは、衰退産業の生き残り戦略にどのようなものがあるのかをご紹介します。
ブランディングによる差別化
衰退産業であっても、ブランディングによる他社、他産業との差別化を図ることで、生き残ることができるかもしれません。当事者がありふれた事業、ありふれた街のお店と思っていても、実は、違う視点から見てみることで、別の価値があると分かることがあります。
たとえば、立地や企業の歴史でブランディングができる場合があります。立地が京都や奈良、鎌倉など歴史のある街であるならば、それをブランドとして同業他社と差別化することができます。また、長く続けているお店ということは、言い換えれば長い歴史のあるお店といえ、そこにもブランドがあります。
それぞれのブランドに合わせた商品開発や屋号の変更などをすることでブランディングし、同業他社との差別化を図ることが可能でしょう。
性能・品質の差別化
衰退産業が生き残っていくために重要なことは、やはり、性能・品質の差別化をすることです。今の産業を継続して行っていくためには、限られた消費のパイを取り合わないといけません。同業他社よりも優れた商品や製品、サービスなどを開発することにより、優位に立つことが重要でしょう。
事業の多角化
衰退産業であっても、同じ分野の事業を多角化することで業績を伸ばすことができる場合もあります。多角化によって別の収益を上げる事業を立ち上げ、企業全体の収益を増やすのです。
今行っている事業の関連分野であれば事業内容の知識があるので、多角化が収益性を向上させやすくなるかもしれません。多角化は新規事業を一から立ち上げたり、関連分野の企業や事業部をM&Aで買収したりすることで可能になります。
他業種との掛け合わせ
今行っている業種と全く異なる業種を掛け合わせることで新しい価値を創造し、業績を伸ばす企業も増えています。
たとえば、書店とカフェを並立して読書をしながらくつろげる居心地の良い空間を提供すれば、来客を増やすことができるかもしれません。また、銭湯とコワーキングスペースを並立すれば、仕事場として銭湯に来店する人が増えるうえ、仕事で疲れたらすぐに銭湯に入れる独自のサービスで利用者を増やせる可能性があります。
このように、他業種との掛け合わせで今まで来店しなかった人たちに来店してもらい、業績を伸ばすことができるかもしれません。
海外で人気が出て生き残る場合も
日本だけにとらわれず、海外に目を向けることで生き残ることができる場合もあります。
たとえば、ニシキゴイの養殖や販売です。日本ではニシキゴイの販売数が減少し、衰退産業のひとつに数えられていました。しかし、海外でニシキゴイの美しさが紹介されたことで人気が爆発し、海外の富裕層がこぞって買うようになり、今では成長産業として見られるようになっています。
不動産投資による収益を上げる
本業とは別に、継続して安定的な収益を上げる事業を行うことで、そこで得た収益やキャッシュを本業で使うことができるようになり、本業の立て直しが行いやすくなります。
継続して安定的な収益を上げる事業の代表的な例として挙げられるのが、不動産投資です。自社の持つビルや、新たに購入した物件にテナントを入居させ、安定した収益を確保します。不動産投資では、初期投資にあまり資金をかけずに行うことができる物件などもあります。自社ビルなどがなくても開始することができるので、生き残り戦略には用いやすい方法といえるでしょう。
不動産投資のメリットについては、以下の記事で詳しく説明しています。ぜひご覧ください。
⇒中小企業が不動産投資に着手すべき理由
まとめ
将来衰退していくであろうとされる産業、もしくは衰退がはじまっている産業のことを、衰退産業といいます。しかし、衰退産業であってもきちんとした戦略をたて、それを実行することで、生き残りの可能性が高まります。
生き残り戦略の一つとして、不動産投資によって収益を上げる方法があります。不動産投資にはさまざまなものがありますが、その中でも購入のハードルの低い区分所有権オフィスがおすすめです。
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