【企業の成長戦略】製紙業界の今後を考える

製紙業界は比較的安定しているといわれていますが、社会全体におけるペーパーレス化の進展やインターネットの普及、少子化などの影響で、製紙業界の今後を不安視する声があるのも事実です。 では、実際のところ、製紙業界の今後はどうなっていくのでしょうか。この記事では、製紙業界の今後を考えながら、成長戦略について紹介をしていきます。


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製紙業界の今後はどうなる?

製紙業界ですが、一般的には安定している業界だといわれています。しかし現在は良くても、今後どうなるのかわからないという声が多いことも事実です。まずは、製紙業界の今後に予想してみましょう。

「紙」の需要はなくならない

製紙業界というと、雑誌や本などで使う紙を作っている業界というイメージを持っている方も多いでしょう。実は、それだけではありません。コピー用紙や新聞用の紙など、さまざまな用途の紙を作っています。

インターネットや電子書籍の普及などデジタル化の影響で、紙による新聞や雑誌・書籍の需要は低迷しています。そのため、2007年以降、一時的に紙の需要は減少に転じました。しかし、2016年・2017年あたりから、紙の需要は増加傾向にあります。それは、ダンボールの需要が増加したからです。

インターネットの普及によって、新聞紙や雑誌などに使われる情報用紙の需要は減少しましたが、通信販売の定着とともにダンボールの需要は拡大しています。

さらに現在では、新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの国民の社会生活が著しく制限されているため、インターネット通販の利用が爆発的に拡大し、ダンボールの需要も引き続き伸びると見込まれています。

新型コロナウイルス感染症が終息後も、インターネット通販の利便性を一度知った人々は、引き続き利用すると考えられます。そのため、「紙」の需要はなくならないといえるでしょう。

業界自体は安定だが成長が難しいといわれる理由

ダンボール需要の増加により、製紙業界自体は安定しています。紙の原材料であるパルプで新製品を開発したり、森林事業などに乗り出したりする企業さえ出てきています。

今後「紙」の需要がなくなることはありませんが、国内の紙の需要はこれからもどんどん増えていくのでしょうか。実は、国内市場は頭打ちの状態であるといえます。

ダンボールの需要は高くなっていますが、新聞紙や情報用紙などの紙の需要の減少を補いきれるほどのものではありません。そのため、何もしなければ今後の成長は難しいともいえます。それぞれの企業で業界を縮小させないための、さまざまな経営戦略が必要です。

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製紙業界が成長するための戦略

製紙業界は安定した業界ですが、成長が難しいといわれる業界でもあります。そのため、業界を縮小させないためのさまざまな経営戦略をとることが必要です。

この項では、製紙業界が成長するための戦略について紹介します。

海外への事業展開

国内市場は頭打ちですが、実は海外の市場は増加傾向にあります。
たとえば、日本よりもネット販売が進んでいるヨーロッパではダンボールの市場は活発ですし、南米や東南アジアなどの新興国では、これから紙の需要が伸びてくることが予想されています。

自社が成長するためには、海外への事業展開も選択肢だといえるでしょう。

たとえば、業界1位の王子製紙では中国工場の本格稼働を開始したり、ニュージーランドの製紙会社をM&Aにより買収したりしています。また、大手製紙会社のレンゴーでは海外でのダンボール需要に目を向け、イギリスのダンボール包装などを行う会社をM&Aにより買収しています。

このように、製紙業界の大手ではヨーロッパ市場への進出や新興国市場の開拓などを行い、営業利益のうち7割以上が海外での売り上げである企業もあります。

また、海外市場で好調なのが紙製品の原料となる素材、パルプを使った製品の需要です。海外では「脱プラスチック」の動きが大きくなっています。

脱プラスチックとは、温暖化などを防ぐため、プラスチック製品を使わずに紙製品やパルプ製品を積極的に使おう、という考え方です。すでに、ヨーロッパなどではストローやプラスチック製の容器を使わずに、紙製品やパルプ製品を使うところが増えてきています。

国内だけにとらわれず、紙の需要が高い海外へ事業展開することが製紙業界の成長につながるでしょう。

新技術の開発

海外への事業展開だけでなく、新技術の開発も成長戦略には重要です。プラスチック製品など別の原料を使った製品と紙製品とでは、商品の差別化を図ることは容易でしょう。しかし、紙製品同士では、差別化が難しいのが現状です。

そこで、今後製紙業界の中で企業が生き残っていくためには、新技術により製品を開発することで、差別化を図ることが重要となってきます。新技術の開発の代表的な例に、大手各社が研究している「セルロースナノファイバー」が挙げられます。

セルロースナノファイバーとは、言葉のとおり、セルロースから作られたナノメートル程度の細かいファイバー(繊維)のことです。パルプなどをナノ解繊(かいせん)することで、さまざまなサイズの繊維を作ることができます。

用途に応じて解繊度の異なる繊維を作ることが可能なほか、原料を変えたり、水分散液・乾燥体・成形体などの形態を変えたりすることで、包装材料や紙製品、増粘剤などのさまざまな商品に使用することが可能です。

今後、開発が進むことで、コスト面でも競争力の高いセルロースナノファイバーが開発されると期待されています。このように、新技術の開発により製紙業界を成長させることも可能でしょう。

経営の多角化戦略

ここまでは、業界全体の成長戦略について見てきました。ここからは、業界の各企業が成長するために行う、経営の多角化戦略について紹介していきます。

海外への事業展開や新技術の開発には、多くのコストがかかります。そのため、実際は大手でなければ難しいのが現実です。そこで、本業とは別の新規事業の展開を考えます。実は、本業とは別の新規事業の展開は大手の会社でも行っています。

たとえば、大手製紙会社によるバイオマス発電事業などが有名です。新規事業の展開は大手も行っているため、中小企業も行わなければ、さらに競争力を下げてしまいます。そのため、これからの中小企業では、経営の多角化戦略は必須といえるでしょう。

また、経営の多角化戦略は収益拡大だけでなく、リスクを分散させて事業全体の収益安定化を図ることにもつながります。たとえば、製紙業、新事業のどちらかが一時的に不調になったとしても、もう一方の事業の収益を不調な事業に投入することで、企業全体として、収益安定化を図ることが可能となるからです。

収益の安定化を目指す場合、継続的な収益が期待できる「ストック型ビジネス」が向いています。
ストック型ビジネスとは継続的に収益が入ってくるビジネスで、かつ、そのビジネス自体を売ることができるものを指します。たとえば、賃貸経営やインフラ事業、教室運営、新聞や雑誌、定額課金のアプリサービスなどがあります。

このなかでも特に企業の多角化戦略に向いているのが賃貸経営です。賃貸経営では、家賃などの賃料収入が安定して、しかも定期で得ることができます。そのため、資金繰り計画などが立てやすく、本業である製紙業の経営計画も立てやすくなるでしょう。

また、管理をアウトソーシングできることも、賃貸経営のメリットです。自社で物件を管理する必要がないので、専門知識がなくても参入できます。最近では、より安定した収益を計上できる、法人を対象とした貸事務所業が経営戦略として注目されています。法人を対象とした陳事務所業についてはこちらの資料をご覧ください。

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まとめ

製紙業界は、安定しているといわれていますが、国内市場については頭打ちになっています。そのため、多くの製紙会社では、将来に向けて新たな経営戦略を考える時期にきています。

なかでも、本業とは別の事業から収益を得るストック型ビジネスへの事業展開は効果的な選択肢のひとつだといえるでしょう。ストック型ビジネスにはさまざまなものがありますが、本記事でも紹介したように、賃貸経営がおすすめです。

当社タマホームでも、経営戦略に役立つ賃貸経営のサポートを行っていますので、賃貸経営をお考えの場合は、ぜひ一度ご相談ください。

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